Nさんの古民家(美東町) of 一般社団法人おんなたちの古民家

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江戸時代に建てられた「曲家」(まがりや)
明治維新発祥の地で暮らすNさん邸へ

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江戸時代に建てられたNさん邸は、馬屋と納屋が母屋にL字型に接続された「曲家(まがりや)」の造りです。私も古民家鑑定士になって、初めて「曲家」のお家におじゃましました♪

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約10年前に、茅葺き屋根を瓦とトタンで葺き替えていらっしゃり、雨漏りの心配もありません。丁寧に手入れされたお庭には、大きな桜の木が植えられていて、曲家とうまく融合して美しい景観を生みだしています。

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ちなみに、この美東町大田とは、あの明治維新発祥の戦い「大田・絵堂の戦い」でも有名な地です。

※大田絵堂の戦いとは・・・
アメリカのペリー来航以来、徳川幕府は200年以上も続いた「鎖国」を止め、「開国」の道を選ぶことになりました。  大きな軍事力を持つアメリカに、やがて日本もアメリカの植民地にされるのではないかと危惧した若者達が攘夷運動を始め、それが倒幕運動へと移行していきました。 幕末の萩藩でも、幕府に従順的だった「藩の正規軍」、高杉晋作(尊皇攘夷派)率いる騎兵隊の「諸隊」が、美東町(山口県)の大田・絵堂地域において激しい戦いを行い、その戦いに勝った高杉晋作らは幕府の第二次長州征伐(四境戦争ともいう)においても幕府の大軍に勝利し、それが引き金となって倒幕、明治維新へと進むことになりました。 歴史に「もしも・・・」は禁物と言われますが、もし高杉晋作らが、この「大田・絵堂の戦い」に負けていたならば、明治維新は数年遅れていたのは確実とみられております。 明治維新を起こす原動力となった、この「大田・絵堂の戦い」を後々に引継ぎ、殉難者の慰霊(供養)と先人達の国を憂う熱き心を顕彰したいと思います。

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Nさん邸は、約6年前からパッチワーク教室の会場にもなっていて、Nさんご自身もとっても素敵な作品を作っていらっしゃいます。
2010年4月には、桜が咲き誇る中、パッチワークの作品展をNさんの納屋で開催されたそうです。焼き物、ちぎり絵、写真などなど、この大田地区の作品展を、築170年の古民家と合わせて3会場で行い、最後はゆっくりお茶をして帰る・・・なんて、本当に贅沢な作品展ですよね♪

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納屋をはじめ、家のいろんなところにNさんの作品が飾られています☆

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Nさん邸の母屋は、名刺の縦横比と同じで“居心地が良い”とされる7・5畳の2間続きという珍しい間取りです。

7・5畳の間は、昔、お殿様が”居心地が良い”として、庶民に真似させまいと、わざと”腹切りの間”と呼んだことから、人々は嫌っていた間取りだそうなのですが、実は、とっても居心地のいい間取りなんです♪

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夏は涼しくて、クーラーいらず!というNさん。大阪に30年間住んでいたため、この涼しさは最高♪とのことです。
Nさん邸は、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、病院、道の駅などが歩いて10分程度のところにあり、車がいらない生活。
とっても素敵なスローライフを送っていらっしゃいます。

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馬屋↓
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Nさんは、この家の「16代目」。

近所のおばあちゃんのお話によると・・・・

なんと、享保14年(1729年)、Nさん邸の田んぼのそばは、罪人のさらし首の場だったそうなのですが、この地区の有志たち5軒で、その場所にお地蔵様をつくられたそうです。下写真に小さく写っているお地蔵さんがそれです↓。 そして、そのお地蔵さんには、Nさんのご先祖様の名前が刻んであります。

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井戸のつるべ(右)もNさんの手作り↓ お花の水やりは井戸水を使われているそうです。

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これからも、この立派な古民家をずっと守っていってもらいたいと思います。Nさん、ステキなお家を見せていただき、本当にありがとうございました。そして、来年の春☆ 桜の花が咲くころ、Nさん邸に女子部のみんなでおじゃまして、「曲家」ランチ会を開催予定です!Natsuko(2011・8・21)

Dreaming Story
「この古民家気になる!」「この人に会ってみたい!」という人は、お気軽に「おんなたちの古民家」までご連絡ください。

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