Dreaming Story アトリエAPR of 一般社団法人おんなたちの古民家

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File4 アトリエa.p.r(山口市大殿大路)
築130年の町屋でファッションデザイン
「ジャパニーズアンティーク」の魅力を発信!

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インタビュー対象者 プロフィール
片山涼子さん(26)・・・ファッションデザイナー、趣味は古い着物を探したりすること、材料集め。

いつから古民家で仕事をしているのですか?

2009年の4月1日です。大学院生のころ、山口県立大学のベンチャー企業「㈲ナルナセバ」の経営をやっていて、卒業後、ナルナセバで仕事をしていた人の「絆」を残したくて、ファッションデザイナーとしてこの場所で起業しました。今も、ナルナセバの契約チーフデザイナーでもあります。

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古民家の広さはどのくらいですか?

床面積は70平方メートルで、アトリエ部分は12畳です。

古民家をアトリエにしようと思ったきっかけは何ですか?

昔からこういう古いお家や着物など、アンティークのものが好きだったんです。今まで、フランス、フィンランド、中国などの外国に行ってみて「日本ってすばらしい」「ジャポニスムのデザインってすごい!」と改めて思い、より日本のアンティークなものにひかれていきました。そして、今まで以上に愛国心も生まれ、この場所を見たときに、絶対ここがいい!と思いました。場所的にも、田舎すぎず都会過ぎずで、ほどよくのんびりしていて、ものづくりに適しています。

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古民家のいいところはどんなところですか?

お客さんと、建物の話で盛り上がれることです。この大殿地区には、お寺があったり、一の坂川があったりして、マダム世代のお客さんは「懐かしいわね~」と、若い人は「昔のおばあちゃんちみたい」と喜んでくれます。アンティークのミシンなども置いているので、「古きよき時代を思い出させてくれる」ともよく言っていただけます。

古民家で大変なところはありますか?

町屋なので、夏は風があまり通らないので暑くて、冬は寒いところです。でも、たくましくなれますよ! 土間をアトリエにしているので、底冷え防止といってお客さんがカーペットを持ってきてくれたりします(笑)。

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古民家で仕事をしていて、考え方などで変わったことはありますか?

若い頃は、「都会に出たい!東京に行きたい!!」という気持ちが強かったのですが、ここで仕事をしていると「山口っていいな~」という気持ちが強くなってきました。「大物になってやる!」という気持ちは変わらないのですが、今は「山口で大物になって都会から山口に人を呼ぼう」という感じですかね。着物のリメークとかもやっているので、素朴な日本的なものに、より愛着がわくようになってきました。建物も古くていいものだし、その場所のおかげで使う素材もアンティークなものになってきました。アトリエを構えた頃は、衣装のお仕事が多かったのですが、今ではお客さんのニーズと、この建物のおかげで、着物のリメークが増えてきました。場所とやっていることが近づいてきたんです! ちなみに、私は着物のリメークのことを、「ジャパニーズアンティーク」と呼んでいます。

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今後、何年この古民家で仕事をしたいですか?

ず~っとやりたいです!

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将来の夢を聞かせてください。

今は、ナルナセバ内のアトリエだけど、この4月で丸2年になったので、4~5年目には、新しく古民家に移って自分の新たな店舗を出したいです。その時も、絶対に古民家がいいです! 「古民家大好き☆ 寒さなんてへっちゃらです(笑)」

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今後、古民家でお店やアトリエを構えたいという人にメッセージをお願いします。

古民家ってすごい可能性をもっていると思うんです、アレンジ次第で、むちゃくちゃおしゃれにもなるし、古さを強調したりもできます。あなた次第で表情が変えられる古民家はとっても奥が深いですよ。

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コメント

瑠璃光寺五重塔から下り、龍福寺や八坂神社など古い建物がたくさん残っているこの地域。昔は大内のお殿様が通っていたことから、地名にも「大殿大路」とついているそうです。築130年の町屋をアトリエに、ファッションデザインのお仕事をしている片山さんは、本当に古民家を愛していて、自分の考えをしっかり持たれている凛とした女性でした。「a piece ryoko katayama」というブランドを立ち上げ、古民家という場所で仕事をしていたことから、着物のリメークのお仕事が増えてきたというお話にも感動しました。歴史のつまった建物で、古いものを新しく甦らせるなんて素敵ですよね。 家も服も、“古い物に価値がある”という考え方が、もっともっと一般的になっていけば嬉しいです。
そして、将来自分のお店を出すときも、「絶対古民家!」と言い切る片山さんは、かっこいい! これからも、山口という地から、独自のファッションを世界にどんどん発信していってほしいです。アトリエには、趣味で集められているアンティークのミシンやアイロンなど、珍しいものもたくさん置いてあるので、ぜひ皆さんも行ってみてくださいね。片山さん、今回は協力していだき、本当にありがとうございました。
※ちなみにこの取材の直後、片山さんは急展開で移転することが決まったそうです。場所はすぐ近くの、古民家☆ ということで、また取材にお伺いしますね(笑) Natsuko (2011.5.19)

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